
当教室では、パブリック・アウトリーチを大事にしています。アウトリーチとは、最先端の科学の成果が学術の世界にのみとどまるのではなく、正しく、タイムリーに社会にいかされるよう活動し、みなさんにお伝えしていくことをさしています。
当教室のアウトリーチ活動の代表的な例を二つ、以下にご紹介します。

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HGPIとのパートナーシップ

パブリック・アウトリーチを効果的に実現していくためには、信頼のおけるアウトリーチ活動をしている団体と連携することが大事だと考えています。
日本医療政策機構(HGPI:Health and Global Policy Institute)は、人々が健康に暮らす持続可能な社会の実現に向け、新たな視点・論点を提示する活動をしている非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクです。HGPIと当教室が連携することによって、HGPIは社会的に重要な課題である精神疾患の領域に新たに取り組むための学術的なバックアップを、当教室は公衆衛生に直接アプローチできるルートを得られ、社会の課題解決に向かうための良いパートナーシップとなっています。
2019年12月には「国際潮流と日本のメンタルヘルス政策」グローバル専門家会合を共同で開催しました。
開催にあたり、ライフコースと当事者の視点を大事にしたうえで、様々な立場からこの分野に力を注いでいる多くの方に集まっていただくことができました。また、ジョンズ ホプキンスの教室は、大学などの学術機関と当事者が一致団結して病気の研究に取り組むというフォーマットが確率しているゆえ、こうした国際的な情報の紹介もすることができました。
この会はマルチステークホルダーによる大変有意義な会となり、今もなお、集ったメンバーを軸として課題解決の取り組みが続いています。
※開催報告・最終報告書は下記よりご覧ください。
(開催報告はHGPIサイトに移動します)
English version follows Japanese.
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日本における出版物

ジョンズ ホプキンス大学にて教室主任を務める澤の経験を日本にいかし、貢献するため、優れた英書の日本語への翻訳、また今後は日本語での著書の準備などもしています。2019年にみすず書房より刊行された『マクヒュー/スラヴニー 現代精神医学』は、ジョンズ ホプキンス大学で指標となっている教科書の邦訳であり、その成果の一つです。
成因、本質を考えることで精神障害がいかに分類されていくのかを真剣に問い、体系的に説明することを目指した原書は、明確な主張を持ちながらも、個性的な考え方ゆえの、そして格調高くやや古めかしい英語ゆえの難解さがありました。
原書の特徴を失わないように、かつ、より身近で役に立つものとなるよう、精神医学を少しでもよくしたいという精神科医のチームワークで、この本は長年かけて完成しました。おかげさまで多数の先生に書評をいただいておりますので、どうぞご覧ください。
『マクヒュー/スラヴニー 現代精神医学』
ポール・マクヒュー/フィリップ・スラヴニー 著
澤 明 監訳
みすず書房 2019年
<書評>※評者肩書 執筆当時